教育、学び、そして学校 〜 87

公開: 2024年4月23日

更新: 2024年4月23日

注87. 知識水準の絶対的基準による評価

米国社会の大学入学選抜に利用されている試験(SAT)では、各大学は、学部・学科別に要求されるSATの最低点を公表しています。SATでその公表されている点数以上の結果を得ている人は、入学願書をその大学へおくる資格があります。各大学では、受け取った願書の中から、入学に適すると考えられる対象者を選び、入学許可を出します。日本の大学のように、試験の点数で並べ、上位何人に合格を通知すると言う方法ではありません。

最近の米国社会では、男女の性別、出身階層、人種、出身地域、高校時代の社会活動など、様々な特性で、対象者を評価し、選考しています。これをアファーマティブ・アクションと呼びます。このことから、SATで上位の成績を獲得した対象者が、優先的に合格するとは言えません。

米国社会でも、この入学者選抜には、反対意見も表明されており、2023年の最高裁判所では、このやり方は、「合衆国憲法に違反している」との判決も出されました。ただ、各大学は、このような学生選抜方式を、学生選抜方針として公表しているので、それを変更する例は、ほとんどないようです。

参考になる資料